一般社団法人 グローカル政策研究所

阿部孝則の『寡黙な麻雀王者』

第25回連載

あけましておめでとうございます。
2024年は新年から大変なニュースが続いていますが皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今回は新年ということでいつもとは少し趣向を変え私の近況をご報告したいと思います。

2023年はまず第15期令昭位戦A 1リーグですが7位に終わり残念ながら決定戦に進出する事ができませんでした。
Mリーグ主催のMトーナメントには団体推薦枠で出場させて頂きましたが結果を残す事ができませんでした。
その他のG 1、G 2オープンタイトル戦も準決勝や決勝進出には至らず全体的にパッとしない成績に終わってしまいます。
その中で年末に行われたRMUグランプリというタイトル戦があります。
これは2018年に新設されたタイトル戦で、
試合は全てトーナメント方式で行われます。
このタイトル戦は元々RMUに入会して間もないアスリート選手にライセンスを取得するチャンスを増やしてあげること。
そしてトーナメント方式の試合に慣れてもらうこと。
この2つの目的で新設されたタイトル戦となっています。
優勝者にはB級ライセンスと賞金が与えられることになっています。
優勝者がライセンスを持っている場合には所属リーグを無条件で1階級昇級することができます。
既にライセンスもありAリーグに所属している選手には大きなメリットがないため賞金が倍増されることになっています。

私も若手の壁となるべく、また作法等の指導役として毎年出場しています。
このトーナメント方式というのは同卓 4名で2回戦か3回戦を行いトータルの上位2名が勝ち上がるシステムのことを言います。
RMUグランプリでは準決勝まで全て3回戦のトーナメントで行われます。
このトーナメント方式は特に終盤のほうでは複雑な条件計算が必要となるためかなりのスキルと応用が必要となってきます。
そのため経験が少ない者や条件計算の苦手な者は自ずと不利になってしまいます。
ですからリーグ戦形式や大会形式の試合よりは総合力が結果に顕著に反映されやすいと言われています。
RMUではB級ライセンスを取得するまでに早い人でも 4、5年はかかると言われています。
このRMUグランプリは昨日入会した新人アスリートでも優勝できる可能性があります。
特典にB級ライセンス付与という特大ボーナスを掲げているわけですからそれなりに難易度は高くないといけないわけです。
過去の5人の優勝者のうちライセンスを持っていなかったアスリート選手は1人だけという事実からも、ここで優勝することは若手にとってかなりの高難度だということがうかがえます。
またこのタイトル戦は全ての会員にトーナメント方式の試合に少しでも慣れてほしい、練習してほしいという思いから1回までの敗退は敗者復活戦で復帰できるというシステムを採用しています。

本戦 1日目
この日は3回戦トーナメントを2回行わなければいけません。
1回までの敗退は認められるので勝っても負けても6半荘打つことになります。
10年くらい前までは何とも思いませんでしたが、最近は試合で半荘6回打つのはだいぶキツい年齢になってきました。
しかしながら3回戦トーナメントを2回打ち切り危なげなく順調に勝ち上がります。
相手が弱いせいなのか歯応えがないというか、私がピンチになる場面が一度もないというのはいかがなものなのか考えてしまいます。
しかしそれは今のところ仕方ない事なのかも知れません。

本戦2日目
この日も最大6半荘打たなければならず
前回のように体力と気力が必要となります。
この日1回戦目のオーラス、2着目で迎えた私の親番です。
3着、 4着目とは少し点差が離れており比較的楽に上だけ目指せる状況で、とりあえず12000点を和了すればトップ目に立ちます。
私は中をポンした後スーソーを456でチーします。

⑤⑥白白白発発   チー ポン
             456 中中中

発をポン出来れば大三元確定ですがそう簡単には出て来ないでしょう。
この④⑦待ちのまま和了しても一旦トップ目に立つのでそれでも十分です。
3回戦トーナメントで1回戦目にトップで終われればかなり有利になります。
しかし上家のおそらく入って 1、2年と思われる新人君がノータイムで発を切ってきます。
私はこの発が簡単に出てくることを想定しておらず一瞬躊躇してしまいます。
『気づいてないのか?!』
それなら分からせてあげなければなるまいと発をポンして一旦⑥単騎に受け大三元を聴牌します。
両面で聴牌している時に比べて和了率は一気に下がりましたが、これで流石に局面がロックされるはずです。
大三元の可能性まであることは誰の目から見ても明白なので私には誰も向かって来れないはずです。
数巡後、発を切ってきた上家から『リーチ!』の発声があります。
『マジか?!この局面でリーチしてくるとは一体どんな手を聴牌したんだ?!』
しかしその上家の河に横に向けられ置かれた牌は⑥でした。
一瞬目を疑いますが
『うーん、その⑥まで出てしまうのは流石に経験不足か』
私は大三元の48000点を和了し、その後はそのアドバンテージで楽に勝ち上がりを決めます。
その日の午後のトーナメントも勝ち上がりトーナメント4連勝とします。
4連勝ボーナスは本戦3日目が免除になり準決勝進出へのジャンプアップとなります。

準決勝、決勝
準決勝と決勝は同日に行われ放送での対局となります。
大塚のスリアロαスタジオで11時から放送開始です。
準決勝も3回戦トーナメントで行われ、2卓からそれぞれ2名が勝ち上がり決勝戦は 4名で3回戦+RMU新決勝方式で第6期のチャンピオンが決定します。
準決勝の同卓者はMリーグEX風林火山の松ヶ瀬さんと他の2名もB級ライセンスを持っておりトーナメント戦として単純に楽しめそうです。
1回戦は松ヶ瀬さんトップの私が2着で終了します。
2回戦は私トップ松ヶ瀬さん3着でしたが1回戦目 4着だった者が2着になったため私と松ヶ瀬さんが抜け出た下位の2名とは少し離れた状態です。
3回戦は途中一度は逆転された松ヶ瀬さんでしたがリードがモノを良い私と2人で決勝進出を決めます。
『今日はやはりこの男が1番の強敵か』

決勝戦
1回戦目私は東 1局から8000点、3900点と幸先よく和了しトップ目に立ちます。
次局松ヶ瀬からの3巡目リーチが入ります。
早いリーチで安全牌のない私はオタ風の西を切ります。
するとこれが七対子の西単騎に放銃となります。
しかも表ドラ2つ裏ドラ2つの12000点となり失速してしまいます。
その後も波に乗る松ヶ瀬さんに良いようにやられてしまい松ヶ瀬さんの特大トップで終了、私は3着まで後退してしまいます。
2回戦も勢いの止まらない松ヶ瀬さんの2連勝となり私はなんとか2着をキープしますがその差は90ポイント以上となり残り1回戦+新決勝ではかなり厳しい状況です。
それでも3回戦目で私は比較的大きなトップをとります。
松ヶ瀬さんとの差は37ポイントのところまできました。
新決勝はRMUが提案する新システムで麻雀における目無し問題を解決する画期的なシステムです。
詳細の説明はまた別の機会に設けようと思いますが、簡単に言えばトータルトップを逆転する和了をすれば優勝、トータルトップの人は和了すれば優勝というものです。
この日終始手の入っていた松ヶ瀬さんは最後まで攻め続け新決勝も制して優勝を果たします。
結果的に私は力負けではありましが内容的には満足いく出来だったと思っています。
今回は松ヶ瀬さんの出来が良すぎた、相手が悪かったということだと思うことにします。
こうして年末のRMUグランプリは準優勝という結果に終わります。
年が明け年度末までまだいくつかのG 1タイトル戦も残っています。
それらにはもちろん全力で挑んでいきたいと思っています。
と同時に2023年は目立った活躍が出来なかった 1年でもありました。
今年は何か去年とは違うことをしなければならない、飛躍の年にしなければならないと心に強く思っております。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます

第26回連載へ続く...

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