一般社団法人 グローカル政策研究所

阿部孝則の『寡黙な麻雀王者』

第7回連載

日本プロ麻雀連盟のトップリーグとなるA 1リーグは1年をかけ4半荘×10節の計40半荘を行います。
そしてそのトータルポイントの上位3名がディフェンディングチャンピオンである鳳凰位に挑戦することができます。
鳳凰位決定戦は6半荘×3日の計18半荘で行われその年の鳳凰位が決定します。
私にとってA 1までの道のりもとても長く険しいものでしたが、鳳凰位獲得までの道のりもまたそれ以上に長く険しいものになりそうです。
私は入会から14年という歳月をかけやっとA 1にたどりついたのです。
しかし今までやってきたことがA 1でも通用するだろうか?全く歯が立たず1年でA 2に逆戻りなんてことにはならないだろうか?
そんな不安な気持ちを抱えながら対局に臨みます。
1年目の私は第9節まででトータル4位につけており一年を通して安定した成績でここまできていました。
もちろん私自身の視点からでも明らかなミスなどは沢山ありまだまだ課題の残る内容ではありました。
しかし不安を抱えながら対局に臨んでいた私にとっては自信をつけるのに充分過ぎる結果となっています。
通用している!今までやってきたことは間違っていない!
そして最終節、鳳凰位決定戦に進出できる3位に入るにはライバルを抑えつつ私は+20pから30pする必要があります。
しかし決して難しい数字ではありません。
いつもより長く感じたその日の激闘の末、私はあと少しのところで決定戦進出は逃してしまいます。
しかしこの1年をしっかり闘えたと自信をつけた私は来年こそは決定戦進出!そして鳳凰位だ!と心に誓うのでした。

日本プロ麻雀連盟には鳳凰位と並ぶタイトル戦として十段位があります。
リーグ戦形式の鳳凰位に対してトーナメント形式で行われるタイトル戦が十段位なのです。
その十段位戦で河野が下の方から勝ち上がり決定戦に進出したのです。
河野高志はアマチュア時代に麻雀マスターズ(日本プロ麻雀連盟が主催するアマチュアも参加できるオールカマーのタイトル戦)を2連覇し鳴り物入りで日本プロ麻雀連盟に入会しています。
そしてここまでリーグ戦を全てストレート昇級しA 2リーグまできています。
その実力は誰もが認めるところでしたが十段位決定戦まで進出してしまったのです。
私が初めて決定戦に進出し前原雄大に大逆転負けを喫した十段位決定戦。
しかし河野高志は初挑戦で見事十段位を獲得します。
さすがに河野は強いな、大口を叩くだけのことはある。
しかし俺も負けてられない。
A1リーグはいよいよ終盤を迎えようとしている。
今年こそは絶対に決定戦に残らなければならない!

第8回連載へ続く...

COLUMN

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